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平成30年7月4日 桔梗だより 平成30年7月号(7月1日頒布)

6月の陰陽會の祭典および行事

618日 疫病封じ祈願祭 斎行

630日 夏越之大祓式 斎行


7月の陰陽會の祭典及び行事予定

77日 七夕祭

730日 明治天皇例祭


米朝首脳会談と日本の採るべき針路

五六月十二日、世界が注目する中、シンガポールに於いてアメリカのトランプ大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との史上初の米朝首脳会談が行われました。

米朝首脳会談には当事国であるアメリカ、北朝鮮は勿論、韓国、日本、支那、露西亜をはじめ、世界中の国々の様々な期待や思惑が交錯していましたが、首脳会談後に両国首脳が署名した合意文書の内容が曖昧であるとして議論が沸き起こっています。

共同声明に書かれたのは、新たな米朝関係の構築、朝鮮半島の平和体制の構築、朝鮮半島の完全な非核化、朝鮮戦争のアメリカ兵の戦争捕虜、戦死した兵士の遺骨の回収、遺体の引き渡しの四項目でした。

そして会談後、トランプ大統領は記者会見で、在韓米軍の撤退と朝鮮戦争終結を期待するとの見解を示し、懸案の非核化の費用は日本と韓国が負担すると発言しました。

トランプ大統領は金正恩委員長を高く評価し、今後も金正恩委員長と緊密に連絡を取り合い、北朝鮮の経済的発展をアメリカが手助けする用意があることを明らかにしました。

今回の米朝会談を巡っては、アメリカが大幅に譲歩して北朝鮮が思惑通りの成果を挙げたとする見解が多数を占めており、日本にとって最重要課題である拉致問題に関しては、トランプ大統領に口利きをしてもらっただけで、結局は日朝の二国間の交渉で解決を図るようにトランプ大統領に促されたのではないでしょうか。

今迄安倍首相は「六ヵ国協議」にこだわり続けてきましたが、米朝会談後は北朝鮮との二国間協議に意欲を示し、急遽日朝会談の調整にむけて日本政府は動きましたが、その見通しは現段階では立っていないようです。

さて、今回の米朝会談によって、当事国をはじめ周辺各国はどのような思惑で受け止めているのでしょうか。

以下、ニュース報道や様々な論客の推論などから考察してみました。

一、金正恩委員長は、実は核を温存しつつ経済発展を試みている。

二、トランプ大統領は現段階では、当初の非核化の条件を大幅に譲歩し、非核化を曖昧にした上に、将来的に在韓米軍撤退の可能性、朝鮮戦争の終結も視野に有りと言及しています。非核化には時間がかかるとして、北朝鮮への経済支援を並行して進めることで融和を図り、北朝鮮のアメリカに対する軍事的脅威を無くしたいと考えているように思われます。

三、習近平国家主席にとっては、北朝鮮の非核化は自身の足場を盤石にする意味に於いて非常に重要ではないかと考えます。と言うのは、北朝鮮の非核化が進めば、習近平のコントロール下にない、北朝鮮と深く連携して

いる「北部戦区(旧・瀋陽軍区)」を軍事的に無力化できると考えているのではないでしょうか。

「北部戦区」は中朝国境地帯を管轄する中国人民解放軍の陸軍部隊で、金正恩政権を軍事と石油・石炭、中朝貿易の一部を支え、北朝鮮の核開発を陰で支えたと言われており、支那の中央政府とは対立していて、習近平は北部戦区のクーデターに怯えている と言われています。北朝鮮の非核化が現実化すれば、連携する北部戦区の弱体化にもつながり、結果として習近平に対する北部戦区による軍事的脅威が無くなります。

四、日本は現状では拉致問題解決の見通しが立っておらず、今後北朝鮮の非核化が曖昧なままで将来的に在韓米軍が撤退すると、支那、北朝鮮、露西亜と直接向き合うことになり、日本の安全保障に重大な影響を及ぼすことになります。

五、露西亜はかねてから朝鮮半島にシベリア鉄道とガスのパイプラインを釜山まで延伸したいと考えており、南北朝鮮の統一が為されることは、露西亜にとって莫大な利益を生むと言う目論見があります。因みに露西亜は、二〇一六年に日本政府の対露経済協力について、シベリア鉄道をサハリンから北海道まで延伸し、大陸横断鉄道の建設を求めています。

六、韓国は休戦状態にある朝鮮戦争の終結、そして念願の「民族統一」を果たすことが現実味を帯びてきました。

米朝会談で様々な影響があるアメリカ・北朝鮮・韓国・支那・露西亜・日本の中で、このままでは日本だけが割を食う結果になりそうな気配です。

ところでトランプ大統領は大統領選の時、北朝鮮の核開発計画について直接協議する為に、金正恩委員長と会談する用意がある、更に支那に対しても圧力をかけていくつもりだと述べていました。

今回の米朝会談後、トランプ大統領は支那に対して支那の知的財産権侵害を理由に対中貿易制裁を決め、支那は一歩も引かないとして、米中経済戦争の様相を呈してきました。

トランプ大統領は大統領選挙で言った事を、着実に実行に移しており、自身の世界観を現実化しつつありますが、大統領就任以来、自由貿易を阻害する保護主義だと言う批判が後を絶ちません。

米朝会談直前のG7サミットでの一幕ですが、トランプ大統領にメルケル首相が詰め寄り、アメリカの保護主義的な貿易政策をめぐり首脳宣言のとりまとめが難航しました。

ではトランプ大統領の世界観とはどのようなものなのでしょうか。

今回の米朝会談で重要な役割を果たしているポンペオ国務長官が、THE WALL STREET JOURNALのインタビューに答えてトランプ大統領の世界観について述べています。

【オピニオン】ポンペオ国務長官、トランプ政権を語る~米国第一主義を擁護、第二次世界大戦後の経済・外交体制は「リセット必要」~(THE WALL STREET JOURNAL 2018/6/26

 簡単に言えば、第二次世界大戦後に構築された国際秩序は、当初はアメリカの理に適っていたが、冷戦後の時代になってから自由主義的な協調の時代が終わり、地政学的な競争、大国間競争が再燃したことでリセットが必要な時に来ており、「規則に基づいた体制(Rule Based Structure)」の構築し、地政学上のライバル(特に露西亜や支那)とルールに基づいてそれを実行すると言う、安定した関係を築いて行こうと言うのが、トランプ大統領の世界観であるというものです。

つまり第二次世界大戦終結後、アメリカを盟主とする冷戦の西側諸国で、多国籍企業が急成長し、現代のグローバリゼーションが始まりましたが、各国経済の開放と、世界の産業、文化、経済市場の統合が進んだことで、本来地政学的に仮想敵国であるにも拘らず、経済を優先させる余り国家の安全保障が疎かにされてきたと言う事です。

この間、特に支那は表向きは経済を自由貿易を標榜しながら、裏では軍事力を最大限に高めて、自由貿易の相手国を常に軍事的圧力で脅かしてきました。

トランプ大統領は裏と表を使い分ける支那に対して、厳正なルールに基いた国際秩序の下で互いに安定した関係を築こうと考えていますが、北朝鮮に対しても同様のルールに基いた安定した関係を築きたいとの思惑から、米朝会談に至ったのではないかと考えます。

米朝両国が対立を激化させるのではなく、規則に基いた体制の構築を目指し、安定した関係を築く為に、金正恩委員長との劇的な会談が実行されたことが理解出来ます。

トランプ大統領は、大統領就任演説の中で次の様に述べていました。
私たちは二つの単純なルールに従います。アメリカ製の商品を買い、アメリカ人を雇

うことです。世界の国々と友好的な善意の関係を築きますが、すべての国には自国の利益

を優先させる権利があることを理解した上で、そうします。私たちは自分たちの生き方を

すべての人に押し付けることはしませんが、模範として輝やかせたいと思っています。私

たちはすべての人が追随するような輝きを放つでしょう。私たちは古い同盟関係を強化し、新たなものを形づくります。」

日本は戦後、GHQの占領統治以来トランプ大統領が出現するまで、アメリカの保護国のような状態にあり、常にアメリカに対して「忖度」して、アメリカの意向に沿った政策を打ち出し、グローバリゼーションを追求し続けて今日に至っています。

その結果、グローバリゼーションによる弊害によって、日本は今、立ち行かなくなりつつあります。

つまり、産業の空洞化・賃金の低下・失業率の増加・貧富の格差拡大と富の集中・人権無視や過酷な労働環境・技術の流出・人材不足・安価な商品との競争激化・伝統的な文化の破壊・治安の悪化・金融危機の伝播・環境への負担・移民の増大など、国家としての存続が危ぶまれる事態にまで至っているのです。

劇的にトランプ大統領が出現し、北朝鮮の金正恩委員長はその機を見逃す事無く、米朝会談にまで持ち込み、北朝鮮の発展を成し遂げようと戦略的に動いているのです。

一方、日本はどうでしょうか。

トランプ大統領が大統領である間こそが、日本が真に主権を回復し、自主防衛を可能にする千載一遇の機会であることを理解しなければなりません。

逆に言えば、トランプ氏が大統領で無くなってしまえば、日本復活の大チャンスは永遠に訪れないことでしょう。

そして、最も懸案事項である拉致問題も、日本が主体的に北朝鮮と交渉し、外交によって解決する意思を持たなければ、解決の目途さえ立たないでしょう。

いつまでもアメリカの保護国に甘んじ続けるような硬直化した考えでいる限り、日本は滅びに向かって歩を進めるしかないのです。

 



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